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してもらいたいことは、「そばにいるだけでいい」538名(36.1%)や「身の回りの世話(腰をさする・汗を拭く・水を飲ませる等)」515名(34.6%)「励ましの言葉をかけて力づけてくれる」305名(20.5%)の順であった。
一方、「出産の時、誰かそばにいてほしいか」で「いいえ」と回答した190名の理由で多かったのは「苦しむ姿を見せたくない162名(32.6%)、「出産するのは自分だから」54名(28.4%)、「ひとりの方がリラックスできる」43名(22.6%)などであった。
次に、出産時そばにいてほしい人とその理由を示した(表6)。夫が84%を占めたため、夫以外をまとめて、2群で比較した。最もいてほしい人は夫であり、理由は「気持ちが落ち着く」704名(57.5%)、「赤ちゃんの誕生を一緒に体験できる」209名(17.1%)、「腰をさすったり、汗を拭いてもらえる」164名(13.4%)の順であった。
また、そばにいてほしい理由を2群で比較すると、夫は「赤ちゃんの誕生を一緒に体験できる」が、夫以外では「腰をさすったり、汗を拭いてもらえる」「何かあったときに呼びに行ってもらえる」が有意(P<0.01)に多かった。

 

7. 仮説7:(医療関係者に対するニーズがあるが現実はまかせている)
この仮説に対して1)医療関係者に希望すること、2)出産に対する態度、3)医療関係者に考えを言えるかの3つの質問をした。

 

1). 医療関係者に対する希望を表7に示した(表7)。回答は5段階評価(非常にそう思う5−全く思わない1)の平均値で示した。全体では3.20−4.60の間でそう思う傾向にあった。回答の多い順に、「お産の進み方、お母さんや赤ちゃんの健康状態、これからの見通しを説明してほしい」4.54、「プライバシーを守ってほしい」4.41、「診察・処置などを行う時は事前に説明してほしい」4.38、であった。次に施設別、学歴別、初・経産別に分け、回答の多い順をみたが全体の順位と一致した。さらに施設別、学歴別、初・経産別の各2群間、3群間の結果を以下に述べる。
施設別では、「お産の進み方、お母さんや赤ちゃんの健康状態、これからの見通しを説明してほしい」、「診察・処置などを行う時は事前に説明してほしい」「施設の使い方・きまりについて説明を受けたい」で助産所と診療所及び助産所と病院間において、助産所が病院及び診療所より有意に低く(いずれもP<0.01)、助産所のほうが医療者に対して説明を求めていないことが特徴づけられた。また、「出産時、呼吸法を一緒にしてほしい」「言った事や、した事について批判せずに受け止めてほしい」では、助産所が有意に(いずれもP<0.05)高かった。
学歴別(中・高卒と短・大卒の2群間)でみると、10項目中8項目において中・高卒よりも、短・大卒の方が有意(いずれもP<0.01)に高かった。希望の多い項目は、「お産の進み方、お母さんや赤ちゃんの健康状態これからの見通しを説明してほしい」、「プライバシーを守ってほしい」、「診察・処置などを行う時は事前に説明してほしい」であった。「したいと思うお産の方法について希望を申し出たい」は同様の有意差を認めたものの3.36(短・大卒)と低くどちらとも言えない結果であった。「身の回りの世話をする」、「ほめたりよくやったと言う」では差がみられなかった。短・大卒のほうがより医療関係者に希望しており、また希望を自分から申し出たい傾向であった。
初・経産別では、表7に示す通り10項目中9項目に有意差がみられた。希望の多かった3項目は「お産の進み方、お母さんや赤ちゃんの健康状態これからの見通しを説明してほしい」、「プライバシーを守ってほしい」、「診察・処

 

 

 

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